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ブンブク茶の間

SFと恋愛が大好物。恋愛はSFだ。

2回目のデート。

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前回、2回目のデートで「君の名は。」に行こうと思っていた僕は、
見事にその計画を打ち砕かれ、頭を抱えていた。

大政絢似の彼女は、こともあろうにデート2日前に
「映画やめません?」みたいなニュアンスを込めたLINEを送ってきたのである。

 

※1回目のデートの話はこちら
※2回目にいたるまではこちら

 

 

 

そのLINEを見た瞬間。
時が止まった。

君の名は。興味を見いだせなくて…。別の案を考えますね。」

ぼくはこのLINEを見て、これを言ってくる大政絢似が何を考えているのか
冷静に考察することにした。

 

考察1.彼女は「君の名は。」をすでに観てしまった。

これは、一番最初に浮かんだ考察だった。
公開して間もないタイミングではあったが、当初から物凄く話題になっていた
君の名は。」映画好きであれば、自分の意志とは関係なく足が向いてしまうくらい、興味をそそられる映画だ。
さらに、大政絢似に媚びへつらう競合達(他の男)がいるとしたら、
すでに参入されてしまい、その男と見に行ったのではないかと想像した。(だったら死にてぇ)
「こんな綺麗な人、他におらんやろ!」という恋は盲目状態だったぼくにとって、
世の中の男性は全て敵に思えた。
というか、観に行ってても、行こうよ。おれもあなたと会う直前に観てたわ!

 

考察2.映画よりも楽しい時間をぼくと楽しみたいから

実はぼく、死ぬほどポジティブな人間である。
そのため、2つ目でこの発想が浮かんだ。

デートで映画を観るメリットとしては、
・同じ空間を共有できる。
・上映後、共通の話題ができる。というものがある。

会う回数が少なければ少ないほど、お互いに共通の話題がなく、
当たり障りの無い話ばかりをしてしまいがちだ。

結果、盛り上がりに欠けて、楽しいハズの時間が「苦痛な時間」に変わってしまう。
そのため、初対面に近ければ近いほど、映画デートの効果は大きい。

しかし、唯一のデメリットとしては、


・上映中(約2時間)会話ができない。

 

ぼくは「これか!」と思った。
前回のデートで、なかなかの盛り上がりをみせたため、
彼女の中では、すでにぼくを好きになりかけており

「あんなに楽しい人と、2時間も話せないなんて苦痛過ぎる!
 それがたとえ〈君の名は。〉と引き換えであろうとも!
 ということで、映画をキャンセルして、
 もっとおしゃべりを楽しめるデートを提案しちゃえ!」

ははーん。と思った。自分でもポジティブ過ぎて引いた。

そして、考察の3つめ。


考察3.そもそもデートをしたくない。

…死にたい。



以上の3つが、僕が瞬時に浮かんだ考察だった。

 

イメージとしては、考察1,2,3の順で頭に浮かび、

結論

死にたい。

 

である。


死を意識したぼくは、もう完全に正気を失いつつあった。
正気も勝機も失いつつあった。

しかし、死を目前にした人間はいつも強い。

僕は冷静に、

(このタイミング{デート2日前}で、ドタキャンしてくる方が悪い。
 代案を出してこなければ、そもそもこっちとしても会う必要はない。)

という、結構強気な判断を下し。
そのLINEを既読スルーすることにした。

英断だった。

数時間後、おそらく罪悪感に苛まれたであろう彼女から

「公園をお散歩とか、どうですか?」

きた。

ノータイムで既読し、大切な仕事のミーティング中にも関わらず、
携帯を取り出し、さも「重要な仕事のメールを受信しましたよー」
というよう渋い顔で携帯を眺めた。


他のミーティング参加者に「あっ、これは話かけちゃいけないくらい重要なメールだ」と認識させたうえで(実際は色恋沙汰のLINE)、冷静にLINEを見て、叫んだ。

 


「代案キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」

 

会議中だった。

 


かくしてぼくは、
公園デートをすることになったのだ。

 


長かったが、ここからが2回目のデートだ。


 

当日、15:00に待ち合わせをした。
日があいていたため、ぼくは若干、彼女の顔を忘れかけていた。

正直、自分の中で勝手に盛り上がっているだけで、
言うほどでもないんじゃないか?と思っていた。
顔もそんなに覚えてないし。

そんなことを考えていると、彼女がやってきた。

彼女「ごめんなさい。待ちましたか?」

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出典:www.officiallyjd.com
※イメージです。

 

「ぜぜぜぜぜぜんまてなななないですdふぁhdfhぶg」

綺麗過ぎて言葉にならなかった。

 

公園に向かう途中で、お酒と、ちょっとした食事を買った。

公園のベンチで2人でおしゃべりを続け、
彼女のいろんな話を聞いた。

映画や本が好きなこと、
趣味の話、仕事の話、家族の話、休みの日何しているか。


本当に沢山の話をした。
彼女は、終始笑顔で、ずーっと笑っていた。
ここまで笑ってくれると、ぼくの幸福指数は沸点を超えてきて
ここは幸せの国ブータンかと思ったが、普通に都内の公園だった。

トークにも磨きがかかり、饒舌も饒舌を重ね、もう完全にスーパーサイヤ人状態である。


ぼくはこのデートで、ある目標を設定していた。

それは

「3回目のデートに誘うこと」

 

更に言えば、

「3回目のデートで〈君の名は。〉に誘うこと。」


もう、どんだけ君の名は。見たいねん。だ。

でも、ぼくはそれが次の自分へのステップアップだと思っていた。
人類の進歩だと思っていた。

しかし、1度断られた映画にもう一度誘うというのは、
非常に困難を極めた。

なので、ここでは
なぜ映画を断ったのか。を聞き出すことが必要だった。

ぼくの広告営業の経験上、クライアントからの断り文句もいくつか種類がある、
・効果がわからない。

・今はタイミングではない。

・予算がない。

だいたいこの3つで断られる。

効果がわからなければ、信憑性の高い実績を見せる。
タイミングでなければ、今やらなくてはいけない理由を述べる。

しかし、
【予算が無い】こればっかりは、結構どうにもならない…。

しかし、これはビジネスではない。デートだ。

彼女が「予算がない。」と言った所で、僕のお財布から出せばいいだけのことだ。


彼女からの断り文句も、上記の3つのようなものだと推測し、
絶対に誘えると確信していた。一応シミュレーションをした。

 


・効果が分からない(面白いか分からない。)

これはもう、ぼくが一度観ているため面白さは保証する。
この場合はひたすらゴリ押す。

・今はタイミングではない
映画館で観られるのは今だけ、「今しか観れない!」と言い、これもゴリ押す。

 

・予算がない。(お金がない)
俺が出す。でゴリ押す。
というか、マンション持っててそれは無い。

どんな断り文句が来ても、結果ゴリ押せばいけると思った。
確実に誘える。

結果、彼女の断った理由は
「私のまわりで、観ている人がいなくて、、不安になっちゃって…。」

であった。

 

不安なっちゃって…。って

 

 

 

天使かよ。

 

 


そこはもう、ひたすらゴリ押して
もろもろ割愛するが、結果として3回目のデートに「君の名は。
を観に行くことを承諾してもらった。

2回目のデートは大成功であった。


別れ際、ぼくは言った。

「今日楽しかったですね。
 今度は、芝生でピクニックしましょうか。」

 

大政絢似「いいですね!あっ、そしたら私
     お弁当作ってきますよ!」

 

いつ死んでもいいと思った。

というか、微妙に「自分はいつ死んでもおかしくないんじゃないか?」と錯覚した。

 

こうして、

2回目のデートを終え、完全に脈しかなかった。

 

 

続く