ブンブク茶の間

SFと恋愛が大好物。恋愛はSFだ。

コンサル勤務の29歳(1)

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 「どこからが浮気?」なんかより、

 「どこからが恋?」の方が可愛いよ。

 

 

 

一点豪華主義」という言葉がある。

ミレニアル世代と言われる年代には、あまり馴染みの無い言葉かもしれないが

生活費や家賃を削ってまで良い車に乗ったり、

食費を削って、高い腕時計を買ったり、生活の中に1つ豪華なものを。という消費行動の1つだった。


かの寺山修司は、名著『書を捨てよ町へ出よう』の中で

一点豪華主義の可能性を、こう論じている。

 

平均化した金の使い方によって得られる
バランス的マンネリズムと、可能性の地平線を
つき破るのは、この一点豪華主義しかないだろう

 

つまり、平凡な毎日に刺激を与えるためには、

一点豪華主義以外に無い。ということだ。

 

これは消費活動だけにいえる話ではない。

生命活動においても同じである。

 

生命活動における、一点豪華主義

 

それは、もう、恋しかないんじゃないだろうか。

 

 

 

 

*

※プライバシー保護のため、一部内容を脚色して表現しております。 

 

ある駅の改札付近で、女性を待っていた。

 

3つ上の彼女とは、

友人の紹介で、LINEでのやりとりがあった末、お互いの仕事の話や
なんでもない会話などを経て、その日、呑みに行くことになっていた。

 

友人の紹介といっても、かなり遠い友人だ。
飲み屋で知り合って、仲良くなった人の飲み会コミュニティに参加し、
そのコミュニティの中にいた人に紹介されたという、

もはや、紹介の紹介の紹介。くらい遠い人だった。

 

彼女は、経営コンサルの仕事をしている女性で

仕事>>>恋愛

 

という、
なかなか出会うことのない人種であった。

 

LINEのアイコンを見る限りでは、なかなか可愛らしい雰囲気ではあったが

LINEのアイコンだけでは分からない。

実際会ってみると、どんな人なのかな。と思いながら時計に目をやると
約束の時間を少し過ぎていた。

 

「あの。どうも、、、初めまして。郁恵です。
 遅れてごめんなさい。●●さんですよね?」

 

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※イメージです。

 

 

彼女は、LINEのアイコンよりも5割増しくらいの雰囲気を漂わせつつ
現れた。 ぶっちゃけ、吉岡里帆に結構似ていた。
(ってか、LINEのアイコンの5割増しって、どんだけアイコンの設定下手くそやねん。)

 

なんだこの可愛い生物は。と思いつつも
ぼくは、今まで多くの女性と食事をしてきたので、可愛いくらいでは動じない。
ぼくは冷静にこう返した。

 

「ぜぜぜぜぜぜんまてなななないですdふぁhdfhぶg」

 

言葉にならなかった。

 

「遅れてごめんんさい!●●さんですよね?こんばんは。郁恵です。」

彼女は、郁恵さんは丁寧に2回も挨拶をした。

 

「はい。そうです。全然待ってないですよ。
 えっと、お店向かいましょうか。」

「はい。お店選んで頂いて、ありがとうございます。
 イタリアンでしたよね?楽しみです!」

 

初対面特有の、どこか壁のある丁寧な敬語はあるものの
とても話やすい人だ。と思った。

 

年が3つ上の女性は、つまり30歳という年齢の女性は、
20代のうちに色んな男と食事をして、色んな男と恋をして、
さぁいよいよ心に決めるぞ。という相手を見定めんとする千里眼をも持ち合わせた女性が多い。ラスボス感のある風格とオーラを兼ね備えている。
というのがぼくの見解である。

さらに、年齢に関係なく
初対面で会うと、男女は減点方式で相手を見る傾向にある。

合格点に達しなければ、2回目のデートなどというものはまずありえない。

最初が一番難しく、最初が一番重要だ。

 

基本的に初回のデートに関しては、もはや言い尽くされているかもしれないが

 

カウンター席

 

これはマストだ。

その日ぼくは、混雑した時にカウンター席でなくテーブル席に通されるのをおそれて

 

「カウンター席」しかないお店。

 

をチョイスしていた。

抜かりない。孫子も驚きの兵法である。

 

ちなみに、なぜカウンター席が良いかというと、
正面で座って会話をする場合、どこを見て話をすればいいか
分からなくなってしまうからだ。

経験ありませんか?

仕事とかで、お客さんと対面で喋っているとき、
相手の顔のどこを見ればいいか分からなくなったことが。

 

「ええ。ええ。おっしゃる通りです。」

とか相槌うちつつも

ええ。ええ。おっしゃる通りです。

 (めっちゃなんか喋ってるけど、どこ見ればいいんだ!?鼻!?口!?目!?

  全然分かんねー。ぜんっぜん話入ってこねー!)」

ってなっていますよね。

 

これ、お互いに凄く損失だと思うんです。時間的にも精神的にも。

なのでぼくは、商談のときとかは相手の隣に座って説明するようにしてます。

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※イメージ

 

ええ。冗談です。

 

ちなみに、晴れてカウンター席を獲得できたら、

右と左、どちらに座れば良いんでしょうか。

 

まぁぶっちゃけ、どっちでも良いと思いますが

心理的な話で、

 

人は右側から話しかけられると、警戒しない

 

といいますよね。

車(日本製)を思い出すと、ハンドルが右にあって
男性が車を運転する場合は、女性は左側(助手席)ですよね。(…関係ないと思うけど…)

あとは、

 

心臓から近い位置に人がいると、警戒する

 

ようです。これは完全に諸説ありますが、なんかそれっぽいですね。

もし、左右選べるとしたら男性は右側に座った方がいいかもしれません。

心臓が近いと「こいつ、いつでも私のこと殺せる!?」って潜在意識で感じるんでしょうかね。

 

話を戻すと、

絶好のポジションを手にしたぼくは、2時間ほど彼女と

仕事の話やプライベートの話、食べ物やお酒の話、
異性の話などをして盛り上がっていました。

結構盛り上がっていました。

 

ひとつ思ったのが、というか思っているのが

ワインを選ぶときですね。

ワインなんて全然詳しくないのですが、
女の人とワイン飲むのって、すごく楽しくないですか?
ひとつのボトルを空けるっていう作業は、婚前の「初めての共同作業」を彷彿させます。

と言いつつも、ぼくはワインに全然詳しくなくて、

単語としてもせいぜい

 

ピノ

ソーヴィニョン

しか知らないです。

 

そしてこれらが何を指しているかも全く存じ上げません。

 

そこで彼女に

「どんなワイン飲みたいですか?赤?白?スッキリしたやつ?」

みたいな質問をします。

 

そうすると、相当ワインを飲み慣れている人でない限り

 

「白のスッキリしたやつ。」

 

って答えてくれます。(可能性が高いです)

 

そしたらもう、店員に

 

「白のスッキリしたやつで、美味しいのをください。」って言えば、
もう普通に美味しいの出してくれます。

 

過去10回くらいこのオーダーの方法でワイン頼んでますが(そろそろ覚えろ)

アホみたいに高いワインを出してきたりしません。

そもそも、アホみたいに高いワインが出るお店に、初回のデートで行きません。

 

まぁ、そんなこんなで美味しくお酒を呑みながら会話をしました。

 

すると彼女、元々誰もが知っているような大手企業で死ぬほど良い給料もらって
働いていたみたいで(ボーナスとか4~5カ月分くらい出る言うてはりました)
もうなかなかエリート街道全力疾走していたみたいなんですが、
ふと「このままでええんかえ?私。」みたいに神が降りてきて、

コンサルティングファームに転職したと言っていました。

 

転職した理由とかも聞いたんですけど、
なんか色々考えていて、素敵だったのを覚えています。
あと、吉岡里帆に似て可愛かったです。

あとあと、これは全然重要な要素じゃないんですが。

いや、ほんとにぼくにとって全く興味のない話なんですが、

一応書くべきかなって思って、使命感で書いているだけですし、
あまり大きな声では言えませんが、

 

おっぱいが大きかかかかったです。

 

 

噛んじゃいましたが。全然動揺しませんでしたよ。ぼくは。
おっぱいが動いて揺れるくらいでは、動揺しません。


ええ。 

 

 

まぁそんな感じで、時間が過ぎて、

彼女がトイレに行っている間にお会計を済ませました。

 

彼女が戻ってきて、お会計済みであることに気がついたとき、彼女は

 

「あっ、お会計…払ってくれてたんですね!ありがとうございます!いくらですか?」

 

「いや、全然しなかったんで、ここはぼくが出しますよ。ぼくから誘いましたし。」

 

「えっ!いや、悪いですよ!あっ、じゃあ次のお店、私出しますね!

 次、どうしますか?この辺り知ってます?」

 

「えっ?」

 

 

お分かりいただけただろうか。

 

 

"じゃあ次のお店、私出しますね。" 

 

 

 

 

彼女は、次のお店(2件目)をぼくが誘っていないにも関わらず

さも必然であるがごとく、

当然であるがごとく、

人間が呼吸をするように、

魚が泳ぐように,

キングコングの西野さんが炎上するように、

 

 そして

人が恋をするように。

 

 

自然に、2件目に誘ってきました。

 

完全にやられました。

 

 

彼女のこの一言が、ぼくの平均的な一日を、ありきたりな一日を

一転、豪華にし、一点豪華な

特別な瞬間に変えたことは、言うまでもありません。

 

 

「行きましょう。次もぼくが払いたいくらいです。いや、払わせてください。」

 

 

 

そう言って、私達は2件目に向かいました。

 

 

続く